「指定価格商品とは?」「値引き不可?」家電量販店員が解説するメーカー指定価格商品を安く買う方法
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家電量販店にてPanasonicの商品を購入検討している際、「こちらは指定価格商品なので、お値下げはできません」と断られて、ドケチだなとか嫌な気持ちになった事はありませんか?
何故、店頭表示価格からの値下げが一切できないのか、ちゃんと理由がありますので今回は現役家電量販店員である私が「メーカー指定価格商品」について解説していきます。
目次
指定価格商品とは?
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指定価格商品(条件付き販売)とは?
メーカー指定価格商品とは、メーカーが定めた金額以外での販売を禁止されている商品の事をいいます。
販売店には価格決定権が無いので「値下げや値上げ」「ポイント付与」も原則禁止となっております。
その為、正規販売店であればどこの店舗で購入しても金額は同じといった形になります。
指定価格商品制度を導入した代表的なメーカー一覧
・Panasonic(パナソニック)
・HITACHI(日立)
・Dr.Air
・バルミューダ など
メーカーによって、指定価格を設定している商品の割合は様々です。
また、指定価格商品とは違いますが、任天堂switchやSONYのプレステ5などのゲーム機本体は価格が変更できない場合が多いです。
今後の流れ次第ですが、こういうメーカーが増えて来る可能性があります。
指定価格商品制度が導入された理由
この制度が導入された理由としては、家電量販店に根付いている「値引き文化」や「転売業者」が原因であることが大きいです。
また、一部の悪どい店員が仕入れギリギリまたは下回った金額で転売業者に大量に横流しする事により、価格ドットコムなどで激安で叩き売りされ正規販売店にて正規の値段で売れなくなってしまいます。
①各家電量販店の値引き競争により販売店同士の消耗戦となり充分な利益が確保できなくなる。
↓
②新商品の開発費が確保できない為、マイナーチェンジを繰り返す。
↓
③安価で勝負しているメーカーと同レベルの商品になり、ブランドの商品と価値が下がる。
制度導入によるメリットとデメリット
メリット
【お客様視点】どこで買っても価格が同じなので、価格交渉で体力と時間を消耗しなくて済む。
【お客様視点】同製品を買った人達との購入価格による不公平感がなくなる。
【販売店視点】売ればある程度の利益が確保できる。
【販売店視点】売れ残っても在庫をメーカーに返品できるので、在庫リスクがない。※1
【メーカー視点】転売業者等による商品本来の価格や価値の下落を防げる。
【メーカー視点】売れればある程度の利益が確保できる。
デメリット
【お客様視点】値下げができない分、他社同レベル製品に比べて値段が高くなる傾向がある。
【販売店視点】値引きができないので売りづらい
【メーカー視点】売り上げが低下するリスクがある。
【メーカー視点】売れなければ返品される。※1
※1:通常、値引き可能な商品のほとんどは、正規販売店が一定数買取りそれを売り切るという形で販売しています。
指定価格商品の場合は、販売価格をメーカーが指定する代わりに、売れ残った際のリスクはメーカーが負担する形となります。
指定価格商品を安くお得に買う方法
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別商品と抱き合わせで購入し、そちらから値引きする
値引き可能な商品と抱き合わせで購入し、そっちから余分に値引きしてもらうようにするのが一番お得に買える方法だと思います。
ただし、指定価格商品を安く買う為に要らない商品を余分に買うのは本末転倒なので、電化製品を2個以上まとめ買う時に使える方法ではあります。
また、値引き可能な商品側も値引きできる金額に差があるので、例えば3000円くらいの小物に対して2000円引くなどの無理な値引きができないのも注意。
ギフト券やポイント、支払い方法で得をする
指定価格商品に対してポイントを付与する事はできないですが、ポイントを使う事はできます。
金額が決まっているだけで、支払い方法に関しては指定がないので、例えばポイントが付く別商品を買ってから別会計で指定価格商品に対してポイントを使うだったり、PayPayなどのQRコード決済などで支払って決済会社側から何かしらの特典をもらうなどの方法があります。
また、株主優待券や割引券(一部不可)も使える場合があるので、そのような特典を上手く活用するのもアリです。
型が古くなれば段階的に安くなる場合もある
販売価格の決定権がメーカー側にあるだけなので、メーカー側が値段を下げれば価格が下がる場合があります。
新商品を出すまたは出たタイミングだったり、半年~2年くらい経過した型落ち製品の場合は価格が下がる場合があります。
逆に価格が上がる場合もあるので注意。
選べるギフトが貰える店舗もある
家電量販店によっては、一部の指定価格商品を購入のお客様にグルメなどの選べるギフトが貰える場合があります。
期間限定である場合が多いですが、特にパナソニックの商品に対して付帯している事が多いので、各店舗にてチェックしてみて下さい。
個人的な感想とまとめ
家電量販店員である私にとって値引き交渉というのは、今まで当たり前のように何千回とやってきましたが、何回やってもその駆け引きには多少なりの心的負担があります。
そんな心的負担が省ける分、私としてはどんどん指定価格の波が広がっていくとありがたい気持ちではあります。
しかし、お客様の中には価格交渉をする事も買い物をする上での楽しみの一つと捉えている方も多くいらっしゃるため、そんな方たちの楽しみを奪うような施策でもあります。
・指定価格商品とは、商品の販売価格を「販売店」ではなく「メーカー」が決めている商品。(値引きは原則不可)
・メーカー本来のブランド価値や商品価値を転売業者や値引き文化から守る為の制度。